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Case study

VACANによる大浴場の混雑可視化で宿のブランド価値の向上へ

古屋旅館 さま

業種
宿泊業
活用場所
大浴場

創業1806年以来、200年以上熱海で旅館業を続けている「古屋旅館」様。今回は、VACANを館内の大浴場(男・女)や、フロントカウンター、コーヒーコーナーの計4か所に導入いただいた、きっかけや効果についてお話を伺いました。

決め手は「導入ハードルの低さ」と「旅館のブランド力向上」

ーVACANをどのようなきっかけで知りましたか。

今年の4月に感染症が急拡大し、密の回避が注目され始めたのが興味を持ったきっかけです。感染拡大によって外出の自粛要請が出たことで、お客様のキャンセルが急増していたので、安心してお泊まりいただけるような手をすぐに打つ必要がありました。

そこでまずは全室にウイルスを不活性にする紫外線照射装置の導入や、十分な量の消毒液や清掃の際に使える紫外線装置を数十本すぐに購入等の対策をおこなったのです。

ただその後、大浴場は密のリスクが高い可能性があるといった意見が世の中で徐々に出てきました。そこで、そのリスクを解決する方法をネットで探したのが、VACANを知ったきっかけです。

ー大浴場の混雑を防ぐ方法として、他にはどのような方法を検討されましたか。

従業員が大浴場の混雑情報を、定期的に見に行く案も最初は出ました。しかし混雑情報を取得するために、定期的にそこに人を割くのは人員の余力的にも、オペレーション的にも難しいとわかり、実施には至りませんでした。

ー導入の決め手はなんだったのですか。

大きくは2つあって、1つ目は始めるハードルが低かったためです。このサービスはイニシャルコスト(導入費用)が低いですし、導入までスピーディーに進めていただけました。他の施設への導入実績がすでにあったので、安心感もありました。また導入後に手間がかからないのは、非常に重要な要素でした。AIと画像認識を用いて混雑情報を取得するので、新たな人手やオペレーションが発生しません。

2つ目は、旅館としてのブランディングに繋がると考えたからです。ワクチンはまだできていませんし、これだけさまざまな対策をしていても世界中でいまだに猛威をふるっていることを考えると、すぐには収まらないでしょう。そうなると、早期に感染症の対策をしっかりとおこない「安全に対して感度が高い宿泊施設」としてブランディングできれば、長期的に競争力を高められると考えたのです。

密回避に対して世間的にも関心が高まっているので、導入に伴うコストが新たにかかったとしても、それを跳ね飛ばすだけのインパクトはあると判断しました。

 

混雑の可視化はWith / After コロナ時代まで見据えた施策

ー導入が宿としてのブランディングに繋がるというのは面白い考え方ですね。

導入を検討した時に、メジャーな宿泊予約サイトでラグジュアリーホテルの上位50社が、どのようなコロナ対策をしているか調べました。そうすると、大浴場のリアルタイムな混雑情報を可視化するシステムの導入レベルで安全対策をおこなっている宿は、意外と多くありませんでした。つまり導入するだけで、安全対策の点で他社と差別化できるわけです。

特に世界的に展開しているような予約サイトでは、ウイルス対策についてしっかりと書けるスペースが用意されているため、対策をしているかの差がより明確にアピールできます。今後海外のお客様が来日を検討される際も、対策の程度が宿泊の意思決定を左右する要素となりえるでしょう。短期的な効果も期待をしていますが、With / After コロナ時代まで見据えた施策の位置付けで導入を決めました。

ー導入によってお客様などから反応はありましたか。

宿泊予約サイトを見ると、導入が全ての理由ではないとしても、明らかに安心感についてのお客様の口コミは増えましたし、システムについて言及していただいた口コミもありました。おかげさまで、テレビのキー局や新聞にも取り上げていただいたりすることも増えました。

またこれまでは、夕食前後など大浴場の利用が多い時間にはお客様から、「シャワーの数を多くして欲しい、脱衣所を広くして欲しい」といったご要望をいただくことも多かったです。しかし、導入してからはそういった声はほとんどなくなりました。混雑情報がお部屋で見られるので、空いているタイミングを見計らって行かれているんじゃないでしょうか。

ー「密の回避」の安心感を与えるだけではないと。

多くの宿の大浴場は、コストの観点から部屋数に対して少し小さめに作られている場合も数なくありません。また、旅行にいらっしゃる方の男女比が昔は今と異なっていたため、女性用の大浴場の方がシャワーの数が少なかったり、脱衣所が小さめだったりする場合もあります。

それらの課題を改装して解決しようとすると、非常にお金がかかりますよね。だからこそ、AIのようなテクノロジーを用いてコストを抑えながら解決できる意味は、大きいのではないでしょうか。

ーお客様にVACAN混雑可視化システムを使ってもらえるように工夫していることはありますか。

お客様にシステムのメリットや仕組みを知っていただけるように、HPや旅行予約サイトにしっかりと説明や画像を載せています。

また宿泊される方にスムーズにシステムを使っていただけるように、使い方などをまとめた日本語版と英語版のペライチを作成しています。それを配布するとともに、チェックインの際に直接お客様に説明しています。

 

その甲斐あってか、多い時では滞在期間中に10回近く見てくださっているお客様もいらっしゃいます。

ー施設の規模によってVACANの向き不向きはあるでしょうか。

私の考えでは、大浴場がある宿泊施設であれば全ての規模のホテル、温泉旅館で活用できるのではないでしょうか。新型コロナウイルスによって、混雑に対する関心が急激にお客様の間で高まっています。だからこそ、経営する側もそれに対してどのように向き合っていくかを、今まで以上に考える必要があります。どれだけお客様の安心と快適性を今考えられるかが、長期的なお客様の満足度に大きく影響してくると考えています。

私たちが得たノウハウや知見を周りと分け合い、助け合うことで、まずは昨今の異常事態を乗り越えていければと思います。

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